へブル的価値観は、新約聖書におけるキリストによる救済論とあわせて、すごく大事だな。つまり、旧約聖書の正しい理解も大事だということ。
日本が鎖国を排し、近代化していく過程中で、皇室を中心とした立憲君主制の近代国家を作っていくという鋳型は、ヘブライズム的な価値観の中にあるんだよな。立憲君主制という形自体が、ヘブライズム的な価値観とヘレニズム的な価値観の西洋的な拮抗ともいえる。天皇陛下が人間宣言をした段階で、確かにこうしたヘブライズム的な価値観に集約していく流れは、日本の社会制度の中から廃されたともいえる。とはいえ、象徴天皇制があるということ自体は、むしろヘブライズム的な価値観は普遍的、抽象的な意味ではより日本の意識の深層の中に深く残っているともいえる。日本の近代化や戦時中の日ユ同祖論の研究などは、廃仏毀釈運動(つまり仏教を排して、国家神道を形成していこうとする動き)と表裏一体だったわけで、ヘブライズム的な価値観を知ると、日本の歴史などもより深く理解できるようになるということは、とても大切なテーマだといえよう。
東洋のシンドラーとよばれる杉原千畝のユダヤ人救済も、単純にヘレニズム的な普遍的な人権意識のみによって行われたのではなく、むしろ、こうしたヘブライズム的な価値観が背景にあり(実際にロシア正教会の洗礼を受けたクリスチャンだった)、ともすると意識的にせよ無意識的にせよ日ユ同祖的感性もその背景にあったと考えても不思議でない。