◆【ベツレヘムの星便り】(旧:ユピテルジョージの今週の星便り)


 2019/7/14                   359号


こんにちは、杉本譲治(旧:ユピテルジョージ)です。
今日は、聖書における「祈り」とは何かについて語りたいと思います。
私たちが、しばしば黙想しながら、
目に見えないものと向き合うことを、
「瞑想」と呼んだり、「祈り」と呼んだりします。
さて、ここで重要な問いなのですが、
そもそも「瞑想」と「祈り」は、何が違うのでしょうか?
なんとなく仏教では、「瞑想」を重んじ、
キリスト教では「祈り」を重んじる。
そのようなイメージを持つ方も多いでしょう。
この違いには、実は、それぞれの神学の構造の違いが存在しています。
私たち日本人の神の概念は、一般に「汎神論」と呼ばれるものになります。
汎神論とは、全てのものに神様が宿るという世界観です。
汎神論では、全てものに神様が宿るからこそ、自他の境界を超えて、
全てのものと一つになった時に、最も大きな「神」と出会うと考えるわけです。
そのために必要なプロセスを、「瞑想」と呼ぶのです。
仏教の場合はさらにここからそのすべての境界を超えた存在である
「神」すら存在しないという「空」という思想に行き着きます。
その意味では、仏教は本質的な意味では「無神論」あるいは、
もはや一般的に考えられるような神の存在をベースとした宗教ですらなく
「純粋な哲学」ともいえるものになるでしょう。
その一方キリスト教の世界では、旧約聖書の一番最初の書き出しは、
「初めに、神は天地を創造された。」創世記 1:1 新共同訳
という見解から、全ての歴史が始まります。
つまり、世界の初めには、時空を超えた、人格を持った一人の創造主が存在し、
その創造主が万物を創造したと考えるのです。
これが一神教と呼ばれる神学構造です。
そして、最初にこの明確な対象があるからこそ、瞑想ではなく、創造主という
対象を持った「祈り」を、重要なものとして考えるのです。
そして、さらに新約聖書において、この万物の創造主である父なる神は、私た
ちの罪を贖ってくださった子なる神であるイエスキリストと同じ神と考えます。
さらにイエス様が昇天した後に、ペンテコステの日に下った聖霊と呼ばれる神
とも同じ神とされます。
そして、キリスト教では、父と子と聖霊という3つの位格(パーソナリティ)
を持った、唯一の神という形で信じるのです。これをキリスト教神学では、三
位一体論と呼んでいます。
つまり、聖書における「祈り」とは、一神教の世界観に基づき、唯一の対象で
ある神に対して捧げるもの。
この神学の構造の違いが分かると、聖書への理解はさらに深まるようになり
ます。汎神論的な世界観を持つ日本人にとっては、この違いを理解するこ
とは、そもそも文化的な背景を規定している神学からとらえなおす必要がある
わけなのです。
異文化に触れて、その本質を理解するということは、こうした自分自身にとっ
ての常識を、一度自分の枠組みから外すということも、とても大事なものにな
るわけですね。
このことを理解したうえで、聖書の中でイエス様が唯一このように祈りなさい
とお伝えになったみ言葉をご紹介しますので、ぜひこの世界を創造した創造主
への「祈り」という視点で、味わってみてください。そうすると、より深くイ
エス様の御言葉が心に馴染んでくるでしょう。


▼マタイによる福音書 6:5-15 新共同訳


祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。偽善者たちは、
人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。はっきり言って
おく。彼らは既に報いを受けている。
だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れた
ところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見てお
られるあなたの父が報いてくださる。
また、あなたがたが祈るときは、異邦人のようにくどくどと述べてはならない。
異邦人は、言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる。 彼らのま
ねをしてはならない。
あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。
だから、こう祈りなさい。
『天におられるわたしたちの父よ、
御名が崇められますように。
御国が来ますように。
御心が行われますように、
天におけるように地の上にも。
わたしたちに必要な糧を今日与えてください。
わたしたちの負い目を赦してください、
わたしたちも自分に負い目のある人を
赦しましたように。
わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から救ってください。』
もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦し
になる。 しかし、もし人を赦さないなら、
あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。
(マタイによる福音書 6:5-15 新共同訳)


いかがでしたでしょうか。背景的な神学を理解すると、より聖句も味わいやす
いものになりますね。
それでは、今週もあなたにとって素敵な一週間になりますように。
父と子と聖霊の御名においてお祈りいたします。アーメン。


メールマガジン【ベツレヘムの星便り】(旧:ユピテルジョージの今週の星便
り)
発行者:杉本譲治


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父と子と聖霊の御名において、お祈りいたします。アーメン。
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